中国料理
広大な国土が生んだ多彩な料理
日本の食文化に多大な影響
中国は4000年とも5000年とも言われる長い歴史と、日本の二十数倍とも言われる広い国土を有しています。古い歴史と文化を持つ中国が、日本の文化や料理に与えた影響は、はかり知れないものがあります。
長い歴史とともに
広い国土は、地域によって気候や風土の自然条件も違うため、食材や食生活、そして地方料理にまで、それぞれ特色を持ったものが生まれるのは、ごく自然なことでしょう。
このような広大な土地、長い歴史の中から、文化の発達や食生活の改善がなされ、料理の向上と変化を生んできたのです。
調理の技法や器具の改良
中国料理は調理の技法と調理器具などの工夫改良により、発展してきました。
調理器具や食材も合理的に考えられているので、無駄のない、経済的な調理法も大きな特色です。中国料理は、形や色彩よりも、"味"を大切にしている料理と言えるでしょう。
世界で最も上等な料理
焼く、煮るといった原始的な調理法の中から、今日のような多彩な調理法が生まれ、世界で最も上等な料理の一つと言われる、現代の中国料理が生み出されてきたのです。
乾燥食品
周囲を海に囲まれ、季節の変化がはっきりしている日本と違い、中国はその広い国土のために、運搬や保存の必要性から生まれた、世界でも珍しい「乾燥食品」が豊富です。気象条件も生活条件も違う民族の交流によって、調理の技法も進んできたと言えるでしょう。
日本では
日本の至るところに「中国料理」(中華料理)のレストランが見られるようになったのは、明治時代からであり、近年はますますその数が増えています。
日本人に親しまれている中国料理
広大な中国大陸を東西南北の4つに区分してみると、現在日本に伝わり、日本人に親しまれている特色ある中国料理は、この4区分の地域を代表しているとも言えます。
中国料理と水
川とのかかわり
おいしい料理と酒(飲み物)を生み出すのに、新鮮な食材とともに切っても切れないのが、"うまい水"です。
4大地区の共通項は大きな河
中国大陸を「東・西・南・北」の4大地区に区分した時、そこに共通しているのがこの"水"であり、そこには大きな河(川)の存在があります。
黄河に北京、揚子江の上流に四川・河口に上海、珠江流域に広東
美味しい料理と水(川)との関わりを見ると、北の黄河流域には北京(系)料理、中国大陸中央を横断する揚子江(上流)の西には四川料理、その揚子江(河口)の東に上海(南京)料理、南の珠江流域に広東(系)料理があり、これらがそれぞれの地域を代表していると言えます。
中国全土には、その土地、都市に生まれた有名な料理だけでも、16派以上あると言われています。日本に定着し、親しまれている有名な中国料理は、この4大地区を代表した、4つの料理が基調となっています。